熊本県小国町で開催された小国ドームなど木質構造建築の一時代を築いた建築家・葉祥栄氏の記念講演に、本学大学院1年生の藤岡蓮さんと参加しました。現在、東京大学、広島大学、秋田県立大学、追手門学院大学が取組む非破壊試験を使った中大規模木質構造の研究に、本学の三浦、西村先生、福田先生も関わっている関係で、主催者である道の駅「小国」ゆうステーション、小国町森林組合等からお声掛け頂き参加しました。会場は、小国町内で、葉氏が最後に関わった「隣保館」にて行われました。
当日、各地から葉建築に興味のある方々約120名が参加し、共催者でもある九州大学葉祥栄アーカイブの九州大学岩元先生の司会進行で、葉氏と小国町元町長・宮崎氏との対談が行われました。当時、3000㎡を越える大型木造建築は無く、新たな技術を建設省をはじめとする建築関係者への説得のための様々な挑戦や苦労について、文献では知ることのできないお話を聞くことが出来ました。また、講演会最後の質問に、本学大学院の藤岡さんが一番に挙手し、葉氏に、「大学は経済学部という経歴で、どうして建築デザインの道に進んだのか」という質問をしたところ、葉氏から「大学卒業後、渡米した留学先で、コンピューターシュミレーションのテクノロジーに触れ、新たな空間づくりに興味を持ったことがきっかけとなった。また、小国の人々とクリエイティブな仕事が出来たことはとても幸運だった」とお話されました。
現在、質問をされた藤岡さんと小国ドームの3次元データ化を行っており、今夏にドローンを使った経年変化の調査を秋田県立大の大塚研究室と行います。(三浦)