Topics2020/07/06

卒業生の仕事シリーズ(4)川村 翔 氏

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川村 氏は、2011年に本学を卒業後、2014年に東京都市大学大学院工学研究科修了、同年より栗生総合計画事務所勤務を経て2019年に建築家として独立なさいました。

独立後の処女作となる住宅作品「耕す家 / Cultivate House」をご紹介いただきました。(近藤・西村)

[以下は、川村 氏による作品解説です。]

「耕す家 / Cultivate House」
計画地は宮崎県の海岸線中央部に位置しクライアントが長年家庭菜園を行っていた敷地で、なだらかな丘陵のトップにあり、西側には地域のシンボルである緩やかな尾根が連なる尾鈴山を望むロケーションにあります。
クライアントの「土いじりをしている時間が一番好き」との言葉を聞き、菜園に囲まれたダイニングキッチンを中心とし、いつでも外に飛び出していけるような大らかで、風通しのいい住宅を目指しました。
緩やかな尾根の重なりを望む風景と呼応する軽やかな3段屋根は、室内の活動に合わせた天井高さの設定と共に建物周囲にある菜園に十分日光が当たるように調整してあります。
室内は丸太生産量が長年日本一を誇る宮崎の杉材を集成材(積層材)ではなく木肌を活かすため製材を採用し、構造架構をそのまま見せ、リズム感があり杉材の柔らかい木目による温かみのある空間となりました。
周囲の菜園が徐々に元の姿を取り戻していくにつれて、住まい自体の環境も良い方向に耕されていくことを願っています。