Topics2020/06/01

卒業生の仕事シリーズ(2)矢橋 徹 氏

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矢橋氏は、
2003年に本学を卒業後、建築事務所勤務を経て
2013年に建築家として独立し、
2016年 GOODDESIGN賞2016 金賞(熊本の建築家有志として)
2019年 第24回 くまもとアートポリス推進賞 選賞
2020年 IDA design award 19(USA)Honorable Mention 銀賞、
    第31回 くまもと景観賞 奨励賞
と大活躍なさっています。詳しくは、ホームページをご覧ください。(近藤)

[以下は、矢橋氏による作品解説です。]

敷地は熊本地震によって被災し解体を余儀なくされたビル跡地です。アーケードでは震災以前からあるスポンジ化や地域市場縮小、ナショナルチェーン化の問題が震災によって更に浮き彫りになった一方、震災は市民の間で相互扶助の意識を拡幅し、新しいマチのあり方を予感させるきっかけともなりました。そこで私たちは地域商店のサテライトや地域文化の発信拠点、行政と連携した活動支援などを行えるサポート機能を持つ「マチの縁側」のような開かれたシェア拠点として整備することで、縮小を前提とした新しい街のあり方を目指しました。小さな建築と広場からなるこの場所は、敷地の余白を広場として開放することで多様な使い方を可能にしています。アーケードに面した前庭と半屋外のポーチ、独特の光に溢れる室内空間、屋根のズレが生み出したスキップ状の屋外テラス、これらは活動の下地として用意されています。下地から様々な使い方が能動的に発見され、この場所でしか出来ない企画や使い方に発展することで有機的なプラットフォームとしてマチに定着することを願っています。